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自衛官の武器使用規定と危害許容要件 [自衛隊法による武器使用]

自衛隊法による防衛出動以外の、多くの武器使用規定には、危害許容要件として、「正当防衛」か「緊急避難」の条件が、法文上ついている。

分かっていない雑誌の一部では、(例えばイラク派遣のときなどに)自衛官が武器使用をしたときに「正当防衛」でなかった場合、殺人罪になると間違えた法律解釈をしている。

行政法規というのはやや読みにくい点があるうえ、刑法の知識も絡むので、誤解する人が多いのは理解できるが、いわゆる軍事評論家とかまで誤解している方が多い。

まず第一に、自衛官の法律に基づく武器使用というのは、刑法第35条の、法令行為にあたります。


刑法35条 :法令…による行為は罰しない。


別に刑法第36条の「正当防衛」だから武器使用が認められるのではありません。法令による行為だから武器を使用して、場合によっては人を殺傷しても認められるのです。

しかし正当防衛などに危害許容要件が限られているのなら、正当防衛等でしか人に危害を与えられない→

正当防衛でなければ違法→殺人罪に問われる①

正当防衛でなければ違法→なんらかの刑事罰を食らう ② という疑問を持つ人もいる。


まず①について
基本的に外形上、法文の規定に当てはまると考えられる場合、殺人罪の適用は困難。
特に判断を誤っていると考えられる場合、刑法196条の特別公務員職権濫用等致死傷が考えられるが、これは自衛官には適用されない。
警察官には適用があるが。

一言で言うと、外形上法文の規定に当てはまるように見えるときは殺人罪は適用はできない。
法令による行為と主張される からです。

②について。基本的に自衛隊法による自衛官の武器使用規定と言うのは行政処分に当たる。よって程度の差はあれ自衛官に「 裁量」という概念が生じる。

大きな裁量ではないと考えられるが、そのため「正当防衛である」という自衛官の判断は一定の力を持つ。
権限行使に逸脱・濫用がない場合には違法とはならない。

ここは分かりにくい所であると思うが、「権限を濫用しようというような故意(悪意)があると認定できる」か、「明白に武器使用の要件を満たしていない」場合以外は違法とはならないと考えられる。


行政法とは条文だけ読んでもわかりにくいです。ただ正当防衛等の危害許容要件は、厳密に満たされていなくとも、「違法である」と武器使用自衛官が処罰される可能性は低い。

もちろん自衛官の方がきちんとした手順を踏んできちんと判断されればですが。
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白鳥事件

これはどういう意味なんでしょう?

https://ameblo.jp/calorstars/entry-12216847353.html
>現状では自衛隊が日本人を海外で守る為に駆けつけ警護して敵のゲリラやテロリスト
>その他を死傷させた場合、「刑法35条」が適応になるわけじゃないので、
>自衛官個人が刑法犯になるリスクがつきまとう。
by 白鳥事件 (2018-01-24 16:31) 

yosuke-o

その記事を読んでみましたが、はっきり言うと意味が分からない記事でした。刑法35条が適用されない、の意味は分からないし。

適用されないというのなら、もう少し分かりやすく書くべきですね。

ただ殺人罪と言っても2つあるのを指摘します。

まず日本の刑法における殺人罪と、現地の法による殺人罪(例えばイラクの)です。

日本の、例えば自衛隊法に基づいた武器使用規定で免責されるのは日本の刑法の殺人罪です。

イラクでの法での殺人罪は日本の法による権限規定など知ったことではないので、無関係。

ただこうした場合、地位協定などで対応していることが多いです。私は詳しくないですが。

確かに刑法犯になる可能性は無くはないのですが、基本的に上の記事で書いた通り、余程でないと無いと考えています。


by yosuke-o (2018-01-26 10:44) 

白鳥事件

ありがとうございます。
地位協定についてはこんな感じだそうです。

海外駐留の自衛隊に関する地位協定覚書
https://ci.nii.ac.jp/naid/110007505950
by 白鳥事件 (2018-01-30 14:24) 

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